再生方法

ダサさを曝け出して、自分を知るための場所です

ふっかつのじゅもん 其の一一九

なにかの映像が流れた後、

アフタヌーンティーのような優雅な時間が流れていた。

 

香りの一つ一つが煌びやかに装飾されることなく、自分の身体に入り込んでくる。それは飲料水のように馴染みが感じられる。

今まで感じていた負の感情を、すべて身体に入って巡るアールグレイがこそぎ取って流してくれる。

 

いつしか外は夜になって、さっきまで広げられていた3時半用のセットをテーブルの上から根こそぎひっくり返して、いつのまに乗っていた塩ラーメンが、テーブルクロスの上には相応しくない格好で佇んでいる。

 

綺麗な白いスープが鼻に入り込んでくるために食べてみると、時に口の中で大暴れするものがあるが、楽しい気持ちになる。

 

いつも食べているような、甘くてかわいいパフェや、定番の醤油ラーメン、ハンバーグ、二郎ラーメンが少し恋しくなるくらいだった。

 

ここまで、さらっと食べたように書いているが、アフタヌーンティーのお菓子が本当にたくさんあって、でも簡単に食えてしまう味だった。

 

シェフはすぐに顔を出したと思うと、この数時間の話したいことを解放するようにしばらく話していた。

 

最後に出てきたいくつかのデザートは、甘く、淡い味だった。口にするとすぐに溶けてしまった。

デザートのアイスの最後の一口を食べた途端、身体に衝撃が走ったのち、意識が放り出された。

 

目を覚ました、僕はどうやら寝落ちしてしまっていたらしい。

画面にはエンドロールが流れている。

 

寝ぼけ眼から自己に戻った時、ようやくわかった

映画館で眠ってしまったのは僕だけじゃなかったということに