再生方法

ダサさを曝け出して、自分を知るための場所です

ふっかつのじゅもん 其の一一四

僕には今でも思い出してしまう人がいる

 

もちろん、幼稚園の時に好きだったあの子とか、小学生の時に惹かれた可憐なあの子とか、

人生で一番好きになった高1の時の子とか、僕がたくさん傷つけてしまった後輩のあの子とか

そんなセンセーショナルな恋をした人はもちろん思い出してしまうんだけど、

そんなことよりももっと薄い関係だったようなそんな人

 

僕はなぜだか同級生より年上や年下と仲が良かった

先輩の集団に混ざって可愛がってもらったり、

後輩に混ざって「俺は同級生から除け者扱いだからさぁ」なんていう自虐をしてみたりして

なんだかんだ楽しく過ごしていた(もちろん、同級生から嫌われていた理由はちゃんと心当たりがある)。

 

その中でも一つ上の先輩がいた

宇宙一かわいいという感じでもないが、体育祭のチームのトップに立っていたり、歌もうまかったり、愛嬌があったりして、人気があった。もちろん僕も好きな先輩だった。

先輩が部活を引退する時も僕は大泣きして、それはまるで頂上戦争でエースを失ったルフィのよう、みんなを困り笑いさせていたが、なんか勢いで大泣きしながらその先輩に抱きしめてもらった記憶がある(こういう時に自分のキャラは使い勝手が良かったのかもしれない)

 

二人で映画も見に行った。

進級したばかりの時、僕は3年生、先輩は専門1年生。

一緒にいられる時間も限られていたが、お互いにDオタだったのでリメンバーミーを見に行った。今でも僕の中で「死ぬことがない」、大好きな映画だ。

 

来年も行こうねなんて、簡単につぶやいてみたら案外すんなりOKだった。

映画の後にダイナーで晩飯を食べながら近況を話し合ったりして、今後もこのまま二人でいられたらいいななんて、淡い期待を先輩と一緒にいる時にはよく抱いていた。

 

続く